冬の味覚、あんこう鍋。

イメージとしては茨城県ですが、実際にあんこうの水揚げだけでいくと山口県下関市が一番漁獲高が多いそうです。しかしながら、茨城県(主に久慈漁港や平潟漁港)で水揚げされるあんこうは「常磐物」と呼ばれており、築地市場では高値で取引されるということ。

このあんこうですが、やはり「あん肝」はお好きな方が多いのでは?まるで海のフォアグラとでも言えば良いのでしょうか、脂の乗った冬時期のあんこうの肝はとろける食感と濃厚な味わいがたまりません。

そして、肝心なあんこう鍋ですが、ご当地茨城県の特に大洗や北茨城では「どぶ汁」と呼ばれ、一般的なあんこう鍋よりもより濃厚なコクと味わいを楽しむことができます。また、「どぶ汁」とうネーミングはお酒のどぶろくから由来しているそうです。空の鍋であん肝を煎り、後から具材と味噌を入れて調理します。食べなれない人はクセの強いどぶ汁よりも一般的なあんこう鍋を食べた方が良いようです。

ちなみに、あんこうは各部位を7つ道具と呼ぶのですが、ご存知でしょうか?

きも(肝)、ぬの(卵巣)、とも(胸びれ、尾びれ)、だい身(身の部分、柳肉とも)、胃(水袋とも)、えら、皮

ほとんど使えない部分は無いほどに、あんこうは骨以外の部位を食べてしまいます。料理屋では、10kgほどのあんこうを「吊るし切り」で捌いていきますが、これもまたあんこうならではです。表面がヌメヌメの為に、まな板の上で捌くのが困難なのでこのような独特な捌き方になったようです。あんこうを吊るし切りしている様子は、茨城の冬の風物詩となっています。

さて、最後にですが、見た目はグロテスク・・・でも食べると美味しいこのあんこうは美容にも良いそうですよ!

身にはお肌をぷりぷりにしてくれるコラーゲンを多く含み、さらに肝には皮膚障害や風邪、貧血や高血圧にも効果的と言われるビタミンAやビタミンB2、そして老化や癌の原因となる過酸化脂質や活性酸素を抑えるはたらきがあるといわれるビタミンEも豊富に含んでいるそうです。

寒い冬には濃厚な味わいを楽しめる「あんこう鍋」を頂きたいですね。